クライミング

2005年6月14日 (火)

バユナラフ順応の仕上げ登山

バユナラフ一泊二日登頂プラン

さてー、仕上げの順応登山です
登るのは2年前一番印象に残った山
Vallunaraju5684m
だったはずですが新しい地図には
Wallunaraju5686mって書いてあります
まあどっちにしても発音はバユナラフが近いです
ケチュア語で斧のことだって昨日チャビンツアーんときガイドさんに聞きました

行く足は以前はタクシーを通りで捕まえて交渉したんですが
オトナになったのでソランディーノに往復頼みました
ここ行く道は悪路でやや有名みたいで
ソランディーノは「あすこタクシーじゃ無理です、道悪すぎて」
って言ってました
まあ乾季になってすぐってこと考えると少々お金ケチってもなー
ってのとタクシーとトラブッてもなー(オトナだし)
専用車チャーターっす!

ー06/12ー
朝6:00宿(コンチネンタルって名前)に迎えに来てもらいました
今回は大名登山から一挙に庶民登山へ格下げ
基幹産業の主食はなんと世界に誇る尾西のアルファ米!
これってそろそろ輸出しても売れるかもー
テントはBDの軽量テントなんか目じゃないアライテント
(フライなんて使わんから1.05kgじゃ!参ったか?結露しないし)
ほんでもって例の7.7mmアイスツインロープの試運転もするんで、
アイスクライム道具一式
ゴーライトの60リットルザック目いっぱい

悪路は悪路ですが一昨年よりかマシ
あんときは何度もお客であるワタクシが車押しました

今回は助手席に押す要員が乗っています
(実はタクシーで行けたかも?口論にはなったと思うけど)

pent_034途中でゲートがあります なぜか国立公園の入園料とは違います 一人10ソーレス ジサマがゲートオープン

07:33 けど一回も押すことなく無事レフジオ(小屋)に到着
ここで既に4300mもあります

一昨年はその小屋のジサマのお尻についてって降り口がわかったんですが、
毎回そうはいきません
このバユナラフ登山の核心はこの登り口にあります、ホント
看板ぐらい立てとけよー(って言うお前は何様?)

でこれかなーって重荷担いで登っていって(標高差100m以上)
「Sマン、こんなにブッシュないで、ここちゃう」pent_050
と降りて
次これかなー、って登っていって
「大明さん、これ以上はザック背負っててのぼれませーん」
ってSマンが泣き言うし
そうですバユナラフって崖の腹巻の上にある山なんです
一見難攻不落

また降りて
都合合計300m近く登ったことになります
費やした時間実に2時間41分!
このまま帰る訳にはいかんし(迎えにくるの明日だし)
順応スケジュール狂ったら取り返すことは不可能
いかに軽量化してるとはいえ
しょぼい夏山縦走並みの重さ背負って神経衰弱やってます
ブルー入りません?

途方にくれかけてたら珍しくも四駆が通りかかって
私が
「バユナラフってどこから登るんですか?」原文ママつまり日本語デス
で運転してたオジサンが
「カーブ二つ戻ったとこに水路があるんでそこの横です
4人がいま登ってるよ」スペイン語をタイメーが意訳
で行ってみたらそれらしい登り口ありました
うー疲れた

10:12 登り始め
合ってるかどうかやや不安だったけど踏み跡がしっかりしてるんで一安心
ixy_325 急登につぐ急登に耐えるとやっとなだらかになります
ここまでは道が急すぎてロバとかは上がってこれません
なだらかになっても楽させてくれなくって
巨大なゴロタ石を縫っていくようなところもあります

12:42 キャンプモレーノ4800m通過pent_071
数パーティがテント設営中

13:12 5000m氷河末端に到着pent_079
2年前はここでツェルト(簡易テント:早い話ただの防水布)で寝ました
アイゼン装着して頂上目指します
ギア類はこの上では不要なのでデポして荷物減らします
だんだんとしんどくなってきたixy_344

あまりにしんどそうなタイメーを見かねて
敬老なSマンは私の荷物の一部を持ってくれました
いやーなんちゅーか特別なシンドサです
心拍数的にはたいしたことないのにしんどい
Sマンは今日絶好調!断然早い

15:30 5410m 「ここで勘弁してくれ」
ってことでテント設営pent_103
一昨年のアルパマヨの悪夢を思い出す…
の割にはテント入って和んだら結構元気出ました
食欲はやや少ない程度

尾西のアルファ米と現地購入のマギースープでおじや
pent_124ま、新宿2丁目吐瀉物風ですがまずくはない

おしっこに外出たらワラス夜景がきれいやった

夜半足と手が寒かったなー
象足(羽毛服の靴下版、冷え性の女性にドーぞ)今回持ってこなかったのは失敗

ー06/13ー
真っ暗んなか足音が…
まだ4:50やないの?
キャンプモレーノから空荷でも2時間は掛かると思う
おまえら何時に起きてるんや?(多分02:00頃だと推定)
欧米人ってバカなのか勤勉なのかクソ早いですpent_136
一昨年も夜中起こされたし
ヨーロッパアルプスじゃ落石と落氷を避けるためド早朝発は合理的かもしれません
でもねー、ここはアンデスやっちゅーに!

でゾクゾクと団体さんが通過

05:32 「起きたらえーんやろ」ってことで起床
前日のバテバテの割には結構さわやかな朝
またもや吐瀉物風食って
06:47 頂上へ出発
みなさん金魚のフン状態(ガイドさんが確保してロープつながったサマ)
なので結局団体さんをドンドンと抜いていきます
我々が別段早い訳でなく皆さんがまったく初心者だからです
多分旅行の途中のアクセントに5000m以上の登山体験を求めたんでしょう
一ヶ所やや急なとこがあって
アメリカ(だと思う)の若い女性2人が難渋してます
ギャーギャーとウルサイ
上からガイドさんにガッツリとロープで確保されてるんですけどね
ほんとに泣いてるんかもしれないけど
人の不幸は蜜の味なので体力気力充実したタイメーは
その横をアックス一本でスイスイささっと抜きましたわなー
抜いたのはエーけど急な運動したんで
そのあとゼイゼイとあえいどりました(金魚のごとく)

07:40 なんだかんだで結局我々が頂上二番目着
朝クソ早かった組(金魚4人組)とほぼ同時でしたpent_150
まあロープ確保してると時間掛かるのは仕方ないですが
こんな早く登ってあとどうするん?
真っ暗に登ってあんたらおもろい?

日本の夏山でも似たヨーな現象があって
極々稀に夏山縦走なんぞ行ったらテント場で泊まるでしょ
(人生で二回しかないけど)
そーすっと朝3:00ぐらいからガチャガチャとうるさいグループがいます
ほんで4:00頃出発
夜やっちゅーに!マダ
いまやLEDなんで電池無限に持つけど
風景見れんやん?
理解にくるしむ
なんかクソ早い出発しろってオキテでもあるんでしょうか?
やっぱバカだと思う

で下山
途中で抜いたおっさんと若もの2人組
まだ登ってます
世界一遅い!
なぜか竹の旗まで数本持ってます(ガスったときの道迷い用ですたぶん)
超重装備pent_173
使い慣れてそうなルベルソ(んな危険なブツ使うな!)なんぞぶら下げてます
どっかの(英語やった)グループの先輩後輩なんでしょか?
あるいはガイドと客?
最後までわからんペアでした

09:34 5000m氷河末端着
お茶飲んで一服
10:31 アイスクライミングごっこ開始
氷河末端で傾斜が一番立ってるところ探して
下歩くの面倒なので上から回って懸垂下降(重いわたくしから)
懸垂支点は13cmスクリュー2本
初めての7.7mmロープ
BDのXPでも懸垂下降でのブレーキは甘い
荷物背負ってまったくの垂直なら危ないと思う(つまり止まらん)
カラビナで折り返しとかの処置が必要に思えます、ハイ
あー試運転しといてよかった
アイゼンもよく脱げるし(踵のコバの相性悪い)

降りて、さてリードする段でSマンはロープ絡んだの直すので手が張ったみたいでパスります
ixy_382主役のワタクシがリードかっこえー!
実はペルーアンデスじゃ初リード!
2年前はヘロヘロだったのですべてやってもらってました
つまりあんときゃ登ってないに等しい

脆くてやや硬い、ってのがここ(氷河末端)の氷の印象
立ってたらシンドイ氷でしょう

11:59 で後片付けして下りました
13:09 登り口着

pent_264世界初公開!これがバユナラフ登り口です
レフジオ(小屋)からカーブ三つ目のちょい手前
横断する暗渠水路の横

腹立つので小屋から登り口までのGPSデータばっちり採っておきました
まさか2年前再度ここ登りに来るとは思ってなかったもんなー
そんときもガーミンGPS使ってたんですが車の中じゃ衛星補足が悪くって
このあたりのデータだけ欠測してたんです
このデータさえあればバユナラフ登山はバッチです
「大明さん、そのデータ売れますよ」
とSマンが言うけど
「おまえナイスな経営センスしちょるなー
まずこの山に来る日本人って聞いたことない(これホンマ)
それに万が一ここに来る日本人がいたとしてもGPS持ってるとは思えん
売るってどこのどいつにや?」
山スキー業界では携帯GPSやっと常識になりましたけど、
山関係では皆無ですねー(歩かないハイカーにならいます←暴言じゃー)
GPSとはかなり前から付き合ってますけど
最近地図読みなんぞしたことないです
ぜーんぶガーミン任せ
せっかく風景よさそうなとこ歩いてるのに
地図と地形特徴とを照合してばっかってビンボ臭くネーっすか?

ixy_394 車来るまでめちゃくちゃヒマなんでお昼寝
上見てたら昼間の月pent_284
まだ半月にもなってない
これが満月のときわたしはあのハトゥンウーマ南壁を登っているはずです

15:14 14分遅刻でチャーター車到着
まあ2時間もヒマこいでたんで10分やそこらモーえーわ。
16:45 宿着

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2005年6月10日 (金)

イシンカ大騒動順応登山

イシンカ大騒動順応登山

6/7から6/9の二泊三日でイシンカIsinca5530mに行ってきました

前日から大暗雲
まず今回の新兵器携帯が通じない
6/6朝のバスでリマ→ワラスに移動のはずの、Yなり君(USAシアトルからの合流)
旅行会社が間違った出発時間を教えて乗り遅れ…
にゃんと当日6/7朝6:00ワラス着になってしまった
これってもともとビッチビチの行程なのに
殺人的強行軍になってしまった…
せめて3000mのワラスで一泊させたかった、マジ

6/7 朝6:00バス発着所(クルスデルソル)にYなり君を迎えに行く
「久しぶりー」
で彼の荷物の受け取りの段になって
「荷物が無い!!」
なーんと別のバスに載って遠くへ行ってしまってるんだって
マジかよー!?
こんなことでイシンカ行きを断念させる訳にはいかんし
必要なもので今彼に無いもの、
寝袋・テントマット・ストックをトレッキングエージェンシーに借りることに
まあ、あとコマゴマしたもんは大明とSマンのスペアでなんとかなるし
これだけで話済んだと思ったらまだあって
今日のトレッキングの人数が二名だと伝わってて・・・
ちゃんと言ったはずだけど伝わってないのは私のチョンボ
コシネロ(コックさん)のカルロスとマックスは大慌て
急遽メルカドに寄って食いもんを買い足し
キャホー!

でVAMOS!
十分疲れた・・・

08:45チャーターした車でメルカド(市場)から出発!
09:50コロンCollon3350m着
まだ車道が先にあるし2年前はもっと奥まで行った記憶が
乾季になってまだ間がないので道路の補修が未だだっただけでした
Pashpaの公園入り口3400m通過
あー懐かしい(年老いたってことデス)

12:37国立公園のチェックポスト風4010mはだーれも居なくって素通り

13:07一昨年その大ボルダーぶりに大興奮したボルダーエリア着4100m
pent_088 やっぱスゲー!ここスゲー!
CRUXのGさん、髪の毛いじってないでここに来ればよかったのに
何度も何度も宣伝したのにだーれも来なかった世界有数のボルダー天国
と言いつつ我々も見るだけ
捻挫怖い、チキンですんません

14:52イシンカキャンプ4350m着
pent_129 カルロスは先に着いて食堂テントを設営してます
食堂テントデッケー!
オートキャンプ用の家型です
で、中には土足で入ります
中にはテーブルと椅子
んーお金はケチらん方が良いです
ガスもプロパンだし

お茶戴いてキューケー
Yなり君が頭痛を訴えてます
そりゃソーだ!
飛行機でリマに着いて翌日の夜行バスで3000mの町に着いたと思ったら
速効でトレッキング開始だもんなー
どんだけバカな秘境ツアー会社でもやらん強行軍

鬼のタイメー
「あと5分でハイキイング出発やで、手ぶらでヘッドランプだけ持って」

近所で標高差160mのところまでハイクアップしました
鬼なのでちょいシンドイだけでは許しません
酸素飽和度と心拍数をチェックして心拍が上がらなければヤバイ
心拍数が激シンドそうなとこで勘弁したげました

17:43 今から始まる夕日が素晴らしい
10分間だけのイシンカ谷絵画展
pent_155 みんなに見せたい
贅沢な食前酒(ノンアルコールだけど)

18;01晩飯はサイコー
まずスープが絶品
かぼちゃのポタージュなんですがなんとも美味しい
またまた2年前の思い出がどーだコーダ言ってもしゃーないんだけど、
あんときもスープでKOされた記憶あり
ホンマ美味しい
ニンニクとコリアンダーとががっつりと効いてます
それとでっかい黄色い西洋かぼちゃとがドエラク合う
それだけで幸福なのに主菜も当然美味しい
鳥のシチュー風とご飯
pent_169 日本でのクソみたいな山飯とまったく別もん
「どや?美味いやろー最高やろー」
と関係ないのに大明大自慢(アホや)

6/8 
4:00起床
パンとシリアル+ヨーグルトとお茶のカンタン朝食
お茶(水分)多い目に飲んでもらって
5:00さあイシンカへ出発
Yなり君昨日からの頭痛が消えず
足取りはイマイチ
休み休み登ってたけど飽和度は当然低いけど心拍数が上がらず
7:05「ヤバイってことで」
pent_195 4700mで大休憩してから降りてもらいました

分岐があったけどSマンと二人ってことでややムズイ系のルートに変更

08:13 5000m雪線着
アイゼン装着
大明:両手ストック Sマン:ピッケル1本
30度程度の締まった雪斜面を登る
欧米人の登攀者は異常に朝早いです
もう数名はるか先登ってるのがいます
真っ暗なうちに登るのがよっぽど好きみたい
まあこれはヨーロッパアルプスの流儀なのかもしれないですが・・・
意味ネェー!

我々の体調は?ってーと
大明:2年前より大分楽
Sマン:見た目まあ順調

pent_212って言ってもシンドイ登山です5500mもあれば

チンタラ登っていても結構我々に抜かされる人も居て
10:25なんだかんだで最後の雪壁到着
前のペアは先頭がロープ垂らしてダブルアックスで上まで
セカンドのにーちゃんが確保してもらって登っています
私の両手にはストックだけ
愛用のピッケル類ははるかベースキャンプで寝てます
ま、不要だと思ってたし(記憶力減退)
ここで敗退はごっつカッコ悪い
こんな山で滑落死は練炭自殺よりもカッコ悪い
pent_191 涙拭きながら登りましたダ
得意の「ここは平地、足元は地面」作戦で、
下見ない君に徹しました
あーーーーー!怖かった、マジ怖かった
いやーピッケルって偉大です

10:45頂上着pent_194
絶景だけどストックだけじゃイヤ!
頂上の大雪尻(セッピ:白馬の一部じゃこう書くんだってヨ)を超えれば
楽チンバカ尾根
雪庇(これがフツー)の一部削ってくれてましてですねー
そっからクライムダウン(手袋アイゼン)pent_196
安定した場所なのでここで休憩
「頂上で2時間は居ような」って言ってたのに
30分も経たないうちにタイメーが
「退屈したもう降りようや」
結局ガマンして1時間とどまってから下山へ
12:31雪線下端到着
アイゼンを外す
こっからが下手すりゃ核心で
pent_256ガッラガラの巨礫やボロボロの崩壊地をクネクネ下っていきます
13:35エンドモレーンキャンプ通過
ここに結構高級風なグループがキャンプ張ってました
14:25 イシンカキャンプ着
あーくたびれた・・・

先に帰らせたYなり君がケロリとしてて一安心
いやー事がコトになってたら
パタゴニアでも逃げないとマズカッたやろなー
pent_288虫養いにトリと豆主体のサラダ出してくれて
イヤーこれがまたあっさりしてて美味しい

17:50 夕食
スープはセロリの効いたポタージュ
これまた絶品
で主菜はスパゲッティミートソース
食材買いにいったときから予測してたとーりマズイ
ここって4400mだもん
圧力なべで湯掻いてもパスタ物はダメですねー
やっぱ標高2600m限界説は正しいと思う
(6/5にワラスで食ったパスタは例外、あの店の秘密が知りたい)

6/9

朝はゆっくり
pent_326結構冷え込んであたり一面真っ白の霜
テント内側の結露も凍りました

08:00朝飯は待望のパンケーキ
パンじゃないだけでうれしい
マーガリン(バターにしてほしかった)と蜂蜜たっぷり塗って
焼き上がるの三人が順番に待ってるのも風情です

ワラスで買うパンは例外なく不味い
まあ焼いてから数日後に食ってる訳だし
そりゃ不味くはなってるはずだけど、ブツブツ

テントをうらおもて太陽で乾かして
ついでに人間も日光浴
お隣のテントの欧米人が強そうなクライマー
とってもよい感じのプロガイドさんでした
pent_343 トクヤラフ西面をソロするんだそうです

10:12渋い渋いアリエロさんと下山出発

同じ道でも歩く方向が違うとまた感じが変わります
pent_384 Taimei stone と名づけたでかい名ボルダーですが
上流側に氷河の擦過痕がありましたpent_386

13:33公園入り口通過

pent_450ラベンダーみたいな綺麗なお花畑(明らかに畑)
近づいて見たら豆でした

13:54コロンCollon3350m着ソランディーノの車が迎えにきてました
即出発

厚かましくも
「帰り道なんでモントレーの温泉寄ってもらえません?」

14:33モントレーの温泉着
pent_477 一人3ソルで個室の浴槽

待たせたら悪いんで特急で入浴
まあ湯船浸かったの6/1のリマ以来

15:30ホテル着

無事順応登山第一弾終えました
んー楽しかった美味しかった

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